ちびでデブではげなおっさんのうんこを食った話

僕には大師匠むねさんがいます。

むねさんは僕に技術継承をしてくれた師匠なのですが、それだけでなく「生きるとは何か?」のような人生哲学や、生きる上で土台となる思想や哲学を叩き込んでくれた人生の恩人の1人です。

 

むねさんには半年間の技術継承を受けていました。

月に一回東京から大阪まで会いにいき、セッションやコンサルを受け、ご飯を食べに行く。というルーティンでした。

2019年。僕が23歳の時でした。

 

 

むねさんのコンサルのスタイルは、とにかく考えさせられました。

 

月に1回会いに行き、ある問いをもらいます。

その問いを時間いっぱい考えて、答えが出なかったら、

「じゃ、次の機会までに答え出してきてなー!」と言われて、ご飯いこ!となります。

 

ちなみに、

次の機会とは1ヶ月後のことですが、それまでに答えを出せなかった場合は、会ってくれませんw

 

僕は過去に1度だけ答えを出すことができなくて、1回分のコンサルを受けることができませんでした。

しかし、その答えを出せなかった問いこそが、僕の人生にとってクリティカルな課題だったのです・・・

 

 

これはむねさんの事務所での出来事です。

いつものように、むねさんの事務所に伺います。

 

お久しぶりです!!と、1ヶ月ぶりに会う師匠。僕は喜びに溢れています!!!!

 

お!凪くん、元気そうやな^^

さ、今日もやるか〜

とりあえず、コーヒー飲む??^^

 

いただきます!

 

 

大体、こんなスタートです。

 

そして、僕の近況をふんふんと聞いてくれながら、コーヒーを一杯飲み

そこから、その日のコンサルに入ります。

 

 

この日は、僕の話をふんふん聞いた後

むねさんは不意に立ち上がり、事務所の外を眺めています。

事務所は確か7階にあり、見晴らしの良い角部屋に位置していました。

 

そんな事務所からむねさんが下をじーっと見つめて

「おっ!!」と言うのです。

 

なんだろう?と思って、僕も窓の外を覗いてみました。

特にこれといって、何もありませんw

 

 

むねさん「なあ凪くん。あそこにおっさん見える??」

凪「はい」

むねさん「あの”ちび”なおっさん見える?」

凪「はい」

むねさん「あの”ちび”で”デブ”なおっさん見える?」

凪「はいw」

むねさん「あの”ちび”で”デブ”で”はげ”なおっさん見える?」

凪「はいwww。あの信号待ちして、あ、今渡り始めた!あのちびでデブではげなおっさんですよね?!」

むねさん「そう爆笑」

 

2人でゲラゲラタイム

 

で、急にむねさんの笑顔がスッと消えるのです。

そして、僕に超真剣な眼差しを向けてきます。

 

その眼差しに、僕は思わずドキッとします。

 

 

むねさん「凪くんはあの”ちび”で”デブ”で”はげ”のおっさんのうんこ食える?」

凪「は??!!何言ってんすかwwww

食えるわけないじゃないですかwwwww」

 

むねさん「・・・」

むねさん「もう一度聞くねんけど、

凪くんはあの”ちび”で”デブ”で”はげ”のおっさんのうんこ食える?」

 

凪「食えません」

 

むねさん「俺は食える」

 

凪「え?」

 

むねさん「俺は、食える。」

 

凪「・・・え?」

 

むねさん「俺は、食える。

凪くんは、食えない。」

 

 

凪「は、はぁ・・・?」

 

むねさん「じゃ、うんこ食えるようにしてきて。

今日はこれでおしまい!さ、焼肉食いに行こ!!」

 

凪「ええええええええええええええええええええええ」

 

 

〜完〜

 

と、このコンサルがいっちばん難しかった。

もう、超意味わからなかった。

 

分からなすぎて、焼肉も頭がぐるぐるして、混乱してプシュ〜〜〜w

 

そんなこんなで

1ヶ月間かけてうんこを食えるようにするという課題に取り組んだんです。

 

 

まず人間のお尻から出てくるうんこを食うことについて調べるわけです。

それも超真剣にw

 

そうすると、セクシー男優のしみけんさんの記述が出てきました。

「俺は若手の時になんでもやった。特に何を相手にしてもセ◯クスをした。山ともやった(どゆこと?w)。」

「若手の時は女優のうんこを月50万円かけて買って食ってた。そして入院したりしてた。」

と言うとんでもない記述を見つけて、

 

え?これをやってこいってことなの???

と大混乱。

 

むねさんの技術継承の中でOリングテストが入っており、ことあるごとにOリングでチェックを入れる。

このことですか?NO

と、とりあえず、僕はうんこを食うことは逃れたわけなんだけど・・・

 

とにかくねw

もうねw

1ヶ月間訳わかんねー!!!!!!!!!

 

と、もがきまくった(笑)!!!

 

 

本当にもがいたんだけど、全く答えは出せませんでした。

 

身近な友人にも聞いてみたりしました。

「ねえねえ、いきなり変なこと聞くんだけどさ・・・

ちびでデブではげなおっさんのうんこ食える??」

 

「凪くん、何言ってんの?www」

 

「ごめんwwww」

 

と、友人を困らせに困らせた。

凪くんは最近うんこの食い方を研究しているらしいという噂まで立ってしまった・・・。

 

それも!

全てはむねさんの課題をクリアしたい一心だった。

 

 

ことが開いたのはセッションをしている時でした。

クライアントさんの話を真剣に聞いている時でした。

 

「私ね、自分の性格がクソすぎて・・・

”うんこみたいな自分”が許せないんです」

 

 

キターーーーーーー!!!うんこ!!!!

うんこにアンテナ張りまくっている凪は大歓喜!!!(笑)

 

う、うんこみたいな自分??!??!??!

 

あ!!!!

 

うんこみたいな自分

=クソみたいな自分

=受け入れられない自分

=愛せない自分

 

 

・・・そうか。

ちびでデブではげなおっさんのうんこ / 食える?

 

とは

ちびでデブではげなおっさんのうんこ=愛せない自分

食える=愛する

 

つまり、

愛せない自分を愛せますか?的な意味でしょうか??

OリングーYES

 

きたああああああああああ!!!!

と大勝利を迎えるのである。

 

 

ここからは

あのおっさんにとっての「ちびでデブではげ」とは、自分の最も愛せない部分のことと発想を広げて、

「自分の最も愛せない自分を愛せる自分になってきなさい」

と、やっと課題の意味を噛み砕けたのです。

 

 

ここでもまた直面したんですよね。

 

自分の最も愛せない自分を愛せる自分になる。

これは、本当に難しくて

 

僕にとっては

15歳の時に離婚した父親についてでした。

 

あの父親から生まれたこと。

あの父親に人生を狂わされた。

死んでも会うつもりはない。

結婚しても報告するつもりもない。

お墓参りもしてたまるか。

 

と、恨みに恨んでいて、

自分のDNAの半分は父親からきていると言うことがずっと受け入れられなくて、ずっと自分が嫌いだった。

そんな深いところに封印していた自分の本音に向き合うことになったのです・・・。

 

 

すごいよね〜。

むねさんは、そのことに気づいていたんです。

僕が強烈な自己否定の上で生きていること。

そして、それが父親との関係から来ていること。

これから僕がさらに成長するためには、その課題を越えないといけないこと。

全て、見抜かれていたのです。

 

それを直球で「お父さんとの関係を向き合ってきてね」じゃなくて

「あのちびでデブではげなおっさんのうんこ食えるようにしてきてね」と言う伝え方で僕に伝えてきた。

 

 

「分かりにくすぎるんじゃ!!!!!!!」

と思いつつも、敵わねーな〜と、師匠の偉大さに触れたのです。

 

で、

僕はたくさん泣いて、血反吐吐くような思いで自分と向き合って

ブロックを外しに外し・・・

15歳の時の自分の抱えきれなかった感情を解放し続けて・・・

作った思い込みを外し続けて・・・

 

そして、

超解放された!!!!!!!!

 

 

そうか。

僕はずっと怒って生きていたのか。

 

この自分に対して、社会に対して、生きていることに対して。

 

全てに対して破壊したいという怒りは

父親との関係から来ていたのか・・・!

 

 

そんな父との関係性に向き合った話を

翌月むねさんの事務所で涙を流しながら分かち合って、それをふんふん聞いてくれて

 

「本当に、よかったな!」

 

の一言で締めくくってもらいました。

 

長い長い課題だった・・・

自分の最も愛せない部分を愛せる自分になった時、

 

その人が最も愛せないその人を、僕は愛せるようになったのです。

なんというか、そういう器の広さを手に入れた。

うまく言葉にするのが難しいのだけれど、心にすっごい広がりができて、軽くなったんだよな〜。

 

この課題は、僕の中で

すごくすごく、大切にしている課題です。

 

 

 

ちなみに、後日談となるのですが

その数年後、完全絶縁状態だった父にはとうとう電話をかけて

13年ぶりに再会を果たしました。

 

また、その時の話もどこかでできたらいいな〜。

 

 

僕がお父さんに電話をかけたことをきっかけにして

絶縁していた父方の親戚のご縁が復活したのです。

 

その後、おじさんとの縁も復活して

僕のたった1人の大切な兄の結婚式にもご招待することができたし

いとこの結婚式にも親戚として参列することができました!

 

こういう途切れた血縁を、並々ならぬ思いを越えて再び結んで回る人を「一族の救世主」と呼ぶらしいです。

ご先祖さまのご加護を超絶受けられるらしいのです。

それは、僕がそのことを全く知らずにうおおおと取り組んでいる姿を見た方に、教えてもらいました。

 

 

以上、

おっさんのうんこ食えるようにした話でしたw

 

終わり。